修学旅行ラボ。

一生一度の修学旅行をデザインする

修学旅行どうやって企画するのか問題(4) 仕様書をつくろう

※本記事を読む前に、修学旅行どうやって企画するのか問題(1)「企画メンバーになろう」、修学旅行どうやって企画するのか問題(2)「下調べしよう」、修学旅行どうやって企画するのか問題(3)「打診しよう」をご一読ください。

打診した結果、好感触だったのであれば、いよいよ「仕様書」(名称は学校・地域により異なるかも知れません)を策定します。これは、簡単に言うと「こんな修学旅行にしたいです」という具体的な要件・条件を明文化したもので、A4用紙片面1枚程度(いわゆるペライチ)で済む場合もあれば、数ページにわたる場合もあります。これを各学校の様式に合わせて作ります。

この仕事に携わらせてもらえるまで数年かかると思いますが、変な話、あなたに修学旅行の企画業務が回ってきたということは、あなたがようやく一人前の教員、それも「うちの学校のことは一通りわかってるはずだし、外部業者との折衝も無難にこなしてくれそうだから、今回はちょっと任せてみようか」という扱いを受けるようになった、ということです。期待を裏切らないように、でもいい意味で期待を裏切れるように、頑張ってください。

仕様書に記載する項目は、おおむね以下のとおりかと思いますが、項目名や記載方法は各学校の様式に合わせてください。なお、細かいオーダーになる場合は仕様書本体には記さずに「別紙」として仕様書に添付することもあります。

  1. 実施期間(○年○月○日○曜日~○年○月○日○曜日 ○泊○日)
  2. 行先(国内なら○○地方、海外なら○○国など)
  3. 参加予定人数(当該学年の在籍予定者数+引率教員数の合計)
  4. 主な交通手段(往復航空機利用、○○~○○間 新幹線利用など)
  5. 宿泊地および宿泊施設(○○市、○○地区など)
  6. 一人当たりの費用(各学校・地域で費用の基準がたいてい決まっている)
  7. 行程上の要望(ここが重要!!

これまでが超ド級の前例踏襲だったり、はたまた「総探」(総合的な探究の時間)のカリキュラムと修学旅行の内容がガチガチにリンクしているような学校(「修学旅行×総合的な探究」については気が向いたら!記事にしたいと考えています)だと、なかなか難しいかも知れませんが、思い切って「行程上の要望」を出せるか、検討してみましょう!

ここで、本シリーズ(2)「下調べ」と(3)「打診」が役立ってきます。下調べをして、打診した感触が良好だったのであれば、「○○という内容を「行程上の要望」に入れる方向で考えているのですが、いかがでしょうか」という感じで、”企画会議”(もしくはそれに代わる組織・役職)に”素案”として提出してみます。追加修正が求められることもありますが、事前の打診が功を奏して、最終的にはGoサインの出る可能性が高いでしょう。以前の記事でも触れていますが、打診した感触がよくなかった場合は、決して無理に意見を押し通さないようにしましょう。修学旅行はあくまで学校行事です。学校行事は学校全体として実施するものだということを忘れないでください。

努力の甲斐あってGoサインが出たなら、各学校で必要な手続き(職員会議での議題化、起案文書の決裁など)を経て、「学校の公式文書」としての仕様書が完成します。

ここからは修学旅行実施までの長い道のりが始まりますが、それはまた別の話ということで。