修学旅行ラボ。

一生一度の修学旅行をデザインする

修学旅行どうやって企画するのか問題(番外) 生徒・保護者の意見はどう扱う?

※本記事を読む前に、修学旅行どうやって企画するのか問題(1)~(4)のご一読をお勧めしますが、本記事から読み始めても結構です。

ここまで、「修学旅行どうやって企画するのか問題」と称して、一教員が修学旅行の企画に携わるまでの流れをまとめてきました。

しかし、学校によっては「生徒や保護者の意見も取り入れて修学旅行を企画すべきだ」という趣旨で、企画段階から生徒や保護者に参加してもらい、修学旅行の内容に反映させるべく、アンケートの実施や、会議を重ねるところもあるようです。これは各学校がそれぞれの置かれた状況に基づき判断していることですので、本ブログでは特定の立場はとりません。

ただ、ひとつ指摘しておきたいのは、日本における修学旅行は、別途参加費用がかかるとはいえ、本来的に学校行事(学習指導要領でいうところの特別活動の一部)であり、任意参加の研修旅行とは明確に異なる、という点です。

あなたの学校では、学校行事の一つひとつについて、どの程度生徒・保護者の意見を反映させますか。すべて反映させますか? 答えはノーでしょう。では、全く反映させませんか? 多分、これも大多数の学校ではノーでしょう。

異論・他論は認めますが(笑)、例えばある学校行事の実施を検討するとします。これについて、いつ・どこで実施するか、誰が参加するかを決定するのは主催者である学校であって、生徒・保護者ではありません。もちろん地域事情は考慮するかも知れませんが、一部の生徒・保護者のために日時や場所、参加対象者を変更することはありません。また、どんな内容で実施するか、これも基本的には学校が決定することでしょう。ただ、内容の一部には生徒・保護者の意向も反映させたい、また個別の事情については配慮したいと学校側は考えるかも知れません

誤解して欲しくないのですが、決して生徒・保護者の意見をないがしろにしてよい訳ではありません。適切な時期に適切な仕方で発信される適切な意見は歓迎されるべきだと思います。しかし、自らの意見が総意であるかのように振る舞う一部の向きに対しては、「ご意見として賜ります」とお伝えするに留めるのがよいのではないでしょうか。