修学旅行ラボ。

一生一度の修学旅行をデザインする

【行程案】マイ修学旅行を企画するっ!(2) ~首都圏〈A〉~

冬休み期間のお題:マイ修学旅行を企画するっ!

中学・高校は冬休みの真っ最中、先生方も一息つける時期ですね(卒業学年を担当していると全くそんなことはありませんが)。こんな時こそ、修学旅行の企画を溜めておけば、いつかの機会に活かせるかも…。

今回皆様にシェアするのは、行程案「首都圏〈A〉」です。本ブログ内の行程案は全て小生のoriginalですが、煮るなり焼くなり好きなようにしてOKです。ただし、いかなる責任・義務も負いませんのであしからず。

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行程案「首都圏〈A〉」

日本の首都圏を4泊5日で巡るプランです。本案では南関東(東京・神奈川・千葉)と伊豆を主に取り上げます。伊豆は静岡だから首都圏ではない、というのは内緒。とりわけ北海道・九州・沖縄といった遠隔地の学校であれば、「日本の首都圏を体験させる」だけで修学旅行の目的は達成されたようなもの。班別研修(「班別行動」「自主研修」とも呼ばれる)も設定しています。首都圏へ旅行した経験のある生徒が多い場合は、見学箇所を工夫しましょう。

1日目

 新幹線利用:各地より東京駅(バス)都内近郊 見学・散策(バス)都区内ホテル

 航空機利用:各地より羽田空港(バス)都内近郊 見学・散策(バス)都区内ホテル

※朝食:設定なし/昼食:都内近郊/夕食:ホテル内

 初日の都内の移動は貸切バスを利用する。貸切バスは床下に大きな荷室があり、大荷物も一緒に運ぶことができるため、手荷物配送は原則不要。行き先としては、「バスでないと行きにくい場所」「プライベートで行くことがなさそう」「個人見学不可(団体のみ受け付け)」などを選ぶとよい。もし見学時間を確保できないときは皇居周辺や国会議事堂あたりをバスで走らせて、”バス車窓から見学”という荒業もある。

 留意点としては、班別研修(2日目)とすみ分けを図ること。

2日目

 都区内ホテル <班別研修> 横浜市内ホテル

 ※朝食:ホテル内/昼食:各自/夕食:ホテル内

 都区内から横浜まで、移動を兼ねて班別研修を実施。その際、手荷物配送(都内→横浜)を事前に手配しておくと便利。班別研修の実施にあたっては、「いつ・どこへ・どうやって行くのか」を明確に意識させることが大事。事前学習を入念に行い、”研修計画”の完成まで根気強く指導する。

 なお、この日はバスの手配が不要なため、幾らかコストカットできている。

3日目

 横浜市内ホテル(バス)箱根・伊豆方面(バス)伊豆方面ホテル

 ※朝食:ホテル内/昼食:箱根周辺/夕食:ホテル内

 箱根では、定番の”ゴールデンコース”(湯本→強羅→大涌谷芦ノ湖)に沿って移動、美術館などの施設見学や各種アクティビティに加えて、防災学習や作品制作も行程に組み込むことができる。また、湯本から芦ノ湖までは 箱根登山鉄道・箱根ロープウェイ も運行されており、乗車体験を企画してみるのも面白い。

 伊豆方面の宿泊地は熱海・伊東などを想定している。旅館や旅館タイプのホテルがあれば、近頃少なくなった大部屋・和室宿泊を体験できる。ただしインバウンドの影響で箱根や伊豆の旅館・和室を中心に高価格化の動きがあるため、提示された価格によっては洋室やビジネス主体のホテルに宿泊先を切り替えて価格を抑えることも検討する。なお、旅館や温泉ホテルは学生団体の入浴時間が指定されることも多いので、確認を忘れずに。加えて、入浴に配慮が必要な生徒への対応として、客室内に風呂があれば浴場と併せて利用できるよう依頼する*1

4日目

 伊豆方面ホテル(バス)ディズニーリゾート(徒歩など)舞浜地区ホテル

 ※朝食:ホテル内/昼食:(行程による)/夕食:ホテル内orミールクーポン

 午前中はバス移動、お昼前後にディズニーリゾート到着。ディズニーランドorディズニーシーは甲乙つけ難いが、シーのほうが若干大人な雰囲気かも。

 修学旅行の行程にテーマパークを組み込むことについては、「遊んでばかり…」と眉をひそめる向きもある。しかし、これ自体が体験活動であることに加え、しっかりとした事前学習を行えば、産業学習・進路学習といった重要な意味を持たせることもできる。大事なのは”ただの遊び”で終わらせない仕組みづくり。

 ホテルによってはディズニーの入退場口まで距離があるため、移動経路・手段を必ず確認する。

5日目

 新幹線利用:舞浜地区ホテル(在来線)東京駅より各地へ

 航空機利用:舞浜地区ホテル(バス)羽田空港より各地へ

 ※朝食:ホテル内/昼食:(行程による)/夕食:設定なし

 指定された新幹線・航空機に乗るまでの時間調整が必要であれば、午前中から見学できるスポットを用意するか、早めに駅や空港へ向かい、構内・空港内で自由時間を設定することもできる。

*1:施設側から、生徒の入浴を浴場に限定し「客室内の風呂を使用しないよう」お願いされる場合があるため。この対応は入浴中の事故防止や清掃時間短縮ひいてはコストの抑制を目的にしているものと思われる。そもそも客室内に風呂がない場合や客室内の風呂使用がNGの場合は、代替案を考えておく必要がある。